鋏を新調しました。

随分前に親指が腱鞘炎になり道具の大切さを痛感しました。

以来よく切れるようにまめに砥ぎに出します。

身体への負担軽減と、なにより良く切れると速さと仕上がりに影響します。

一つの道具を大事に使う方なので沢山は持って無いのですが砥ぎに出すと段々刃も薄くなって短くなっていきます。

新店舗にになって2年経ちそろそろと思い新造を迎える事にしました。

今日はいつも砥をおねがいしている表参道のお店へ。

初めてこのお店を訪れたとき古びた鋏の砥をお願いしました。

スタイリストとして独立というときに育ててくれた師匠が美容師を続けなさいと鋏を一丁新造してくれました。

流石に長く使っていて色々な砥屋さんにも出していたし刃も薄くなっていました。

コレを出したとき

「これはもう流石に」

職人さんに言われました。

話の流れで師匠が与えてくれたものと伝えると

「そうですか。師匠ですか。」

としばらく考え

「お代はいただけませんが砥がせてもらいます。」

と言って砥いでくれました。

鋏砥の職人さんも師が在るのだろうと思います。

時間に受け取りに行くと、

職人らしい傷だらけの武骨な手で、切れ味長持ちと言う訳にはいかないけどと渡されました。

今は使わないけど御守のようにケースに収まっています。

以来、鋏はここで。

数カ月に一度訪れ、待っている間古着屋さんのぞいたり人の頭観てたり美味しいもの探したり。

と中々楽しみにしてます。

今日も素敵な一日を。

独りの為の静かな空間美容室ぱいんゆ